過干渉型毒親家庭で育つということ

スパルタ教育型・過干渉型毒親の支配下から逃れ、自由を手に入れるまで。

スパルタ教育型毒親家庭の音楽はクラシック限定

家にあるCD・カセット・レコードはクラシックのみ

元ピアノ講師の母と、超堅物真面目人間である父の好む音楽はクラシック。小さい頃、家にあったCD・カセット・レコードで、クラシック以外のものは皆無だった。彼らが若かった時、子供だった頃は、一体どんな音楽を聴いていたのだろう。まさか小中学生の頃からクラシックオンリーとか!?でも、父方はともかく、母方の祖父母がクラシック好きという話は聞いたことがない…一年に一回位しか会わなかったからよく知らないけど。とにかく、当時の流行りの曲のCDが一切無いのはもちろん、昭和シンガーの曲だとか、60年代ロックだとか、ジャズだとか、そういうジャンルのCDすらない。クラシック一辺倒。母親は、乳児の頃からクラシックを聴かせると良い、と信じていたようで、私が産まれてからも常にクラシックを聴かせていたらしい。でも私がクラシック好きに育ったかというと全く、そんなことは無い。今、あえてクラシックを聴くとか全く無いもんな。家族で車で外出する時、父は車の中でも、常にNHKの教養番組(主に語学)かクラシックを聴いていた。家族での食事中のBGMもNHK FMだ。夕食時間の最中には「ベストオブクラシック」が放送されており、両親はそれが好きだった。中高生位になると、さすがにいつもクラシックばかり聴いているのはかったるくなり、J-POPを流す普通のチャンネルに替えると、「そんなガチャガチャした音楽は嫌だな」と父は言う。母は、「お父さんの言う通りにしなさい」と言う。ただ、クラシック以外の音楽には排他的ではあったが、ニュースはOKだったので、どうしてもクラシックがかったるい時には、「社会の事を知る必要があるから」と、ラジオをテレビのチャンネルにチューニングして、TVニュースの音声のみを聴くこともあった。当時うちにあったステレオコンポのラジオでは、TVの12チャンネルまでは音声のみ聴くことができたのだ。

流行りの音楽はラジオでチェック

中学生以降は、クラスメイトの間で話題になっている曲が知りたかったので、NHK FMのミュージックスクエアを聴いていた。金曜日にはJ POPランキングがあって流行りの曲を知るにはもってこいだ。21時からの番組なので、夕食時間にもかぶっていないため、父にうるさく言われることも無い。ミュージックスクエアを聴きながら塾の宿題やら公文やらをやっていた。ラジオで曲を聴いて気になったアーティストが、どんな顔なのか、どんな衣装なのかetc...知りたい時は、塾に行く前または塾帰りに本屋さんで音楽雑誌を立ち読みしたり、CD屋さんでCDジャケットを眺めたりしてチェックした。小遣いが非常に少なかったので、漫画を少し買うだけですぐに無くなり、音楽関連は何も買えなかったのだ。本当は、金曜日に放送されているミュージックステーションをTVで見たかったなぁ。クラスメイトが「今日のMステ、xx(アーティスト名)が出るよ、楽しみ~」などと話しているのを聞いて、TVを自由にみられるお家はいいなぁ、と思っていた。一応、一週間に90分(少なっ)はTVを見る権利があった年もあるのだけれど、見たいアニメやドラマがあったので、どうしてもMステのために枠を確保することはできなかったのだ。

一年に一度のお楽しみ

そんな私が、年に一度は人気アーティストをTVで見られるチャンスがあった。紅白歌合戦である。大晦日の夜だけは、TVを自由に見ても良い、という特別ルール(ありがてぇありがてぇ…)があったのだ。紅白では、ラジオでよく流れていた人気曲と、立ち読みやCD屋で見かけたアーティスト達の顔・体とが合致し、動いていて、歌っている。ちょっとした感動だった。