過干渉型毒親家庭で育つということ

スパルタ教育型・過干渉型毒親の支配下から逃れ、自由を手に入れるまで。

東大京大専門受験塾T会

 公文→T会へのシフト

どこから噂をききつけたのか、スパルタ教育大好きな毒母はこのT会という塾を知るに至り、私は入塾テストを受けさせられ、中2の冬ごろから入塾することとなってしまった。T会というのは、中学1年の時から東大京大合格を見据えたカリキュラムで学ばせる塾だ。当然、塾生は私立(又は国立大附属)の中高一貫校の生徒ばかり。関西でも有数の難関校の生徒ばかりが在籍している。そんなわけで、いわゆる「お嬢様系」(私は違うケド…世間のイメージね)な女子校の私がいきなり上位のクラスに行けるわけもない。学校では成績上位をキープしているのにも関わらず、この塾では、クラス分けテストの結果、数学はC2(一番下!)、英語はなんとかB2(クラス構成はSA、A1、A2、B1、B2、C1、C2だから下から三番目…)からスタート。英数は中3で高校2年までの範囲を終えてしまうカリキュラムだ。宿題も大変。おかげで公文からは解放されたものの、宿題が大変すぎて、学校の授業中にコッソリ塾の宿題をやっているという始末だった。

母の目的は…

「とにかくいい大学に行かせる」というのが母の目的。今思うと、「将来何をしたいか考えなさい」ということは一度も言われたことがなかったと思う。私は途中までは理系を目指していて、国公立の医学部・歯学部に入れたらいいかな、と思っていた。母的には、国公立の医学部か歯学部ならば東大京大でなくてもOKらしかった。当時、歯学部に行こうかなぁと思っていたのには特に理由がなく、両親の影響を大きく受けていた。つまり、医者や歯科医は儲かるし、他の職業と比べて格が高そう(に見える)というイメージだ。

毒母の勧めで物理を選択してしまった結果

しかし、高2で文系に転向することとなってしまう。というのも、高2で物理を選択したのだが、物理が壊滅的にダメだったのだ…朝早く起きて復習したりしたけれど、学校の教科書レベルの事が理解できなくて、半狂乱になって、涙が出てくる始末。物理を選択したのも母の意向だったんだけれど、それが裏目に出てしまった。私自身は、どちらかというと生物の方が好きな気がしていたのだけれど、母が「生物は二次で点が取りにくいんだって。物理だと二次試験満点も狙えるそうよ。だから生物でなく物理にしなさい」というので学校で物理を選択してしまった。それが間違いだった…。化学もイマイチだったのに、物理が壊滅的じゃぁ理系で医歯薬系に行くのは無理だな、と高2のはじめごろに早々にあきらめてしまった。今思うと、レベルをぐっと落としてでも理系の学部に行っていたら、今いる国(日本の学歴は役に立たない)ではより高給が狙えたのになぁ~とちょっと思う。というか高2の時点で塾の数学がありえないくらい難しくて(二次試験の過去問が宿題!)、そのせいで物理に時間を割けてなかったのもあったのかな、とも思う。T会なんかじゃなく、もっと一般的な塾に通っていれば、物理もなんとかなってたのかも、と思うこともあるのだ…。それより、母の言うことをきかずに生物を選択しておけばよかったのかも。センター試験の生物は割と良い点数だったので。

せめて京大に行くしかない

学校のクラスメイト達と比較して誰よりも自由がなかった。お小遣いだって少なくって(2000円/月)ちょっと口答えしただけで小遣いストップもあった。かといって両親に言えば何か買ってくれるというわけでもなく、服はおばあちゃんが買って送ってきたダサいやつばっかりだった。靴は、私服の時でも学校用のコインシューズ。塾への通学に使っていたリュックも、その辺のスーパーで3000円で買ってもらった黒いやつ。サマンサの鞄を持っている子が羨ましかった。友達と遊びに行くのもほとんど許してもらえなくって…私より遊んでいる子達が、私よりいい大学に行くのを見るなんて辛い、それじゃぁ私の気がおさまらない、だから誰よりも難しい大学に入らなきゃ…そんな風に精神的に追い詰められて、私は京大を受験しようと思った。凡人がガリ勉してようやく京大に入れた。でもね、ガリ勉したかったわけじゃないんだよ…本当は、流行ってたドラマを見たかったし、定期テスト後に友達と遊びに行ったりしたかったし、学校から帰ってきた後お家で趣味で何か作ったりとかしたかったなぁ。でも塾の成績が悪いと怒られるし、テレビはほとんど見られないし、お小遣いが少なすぎてどこかに行ったり買ったりして気晴らしもできないし…。しょうがないから勉強するしかない。ガリ勉にならざるを得なかったのだ。多分、普通のクラスメイト達と同じような環境だったら、京大を目指そうとは思わなかったと思う。もしかしたら、自分のレベルに合った理系の学部に行っていたかもしれないし、別の将来やりたい事を考える時間もあったかもしれない。